非デジタル世代へのリーチ手法としてのパブリシティ動画の有用性
1)スマートフォンの普及と消費者のメディアとの接し方
2)非デジタル世代の接触メディア
3)パブリシティ動画とは
4)非デジタル層とパブリシティ動画の親和性
5)パブリシティ動画で訴求可能な商品・サービス
6)まとめ
スマートフォンの普及と消費者のメディアとの接し方
2010年頃からスマートフォンの普及が始まり、
2013年から2017年で急速に保有率が増加。
総務省の発表によると、40代で85.5%、50代で72.7%、
60代から先は一段下がり、60代44.6%、70代18.8%となっています。
スマートフォンの普及により、デジタルシフトが進んでいることはもちろん、
消費者がメディアに接触する機会とメディアの種類が増え、
メディア接点総量は増加していますが、1つ1つのメディアの影響度は低下しています。
メディアミックスは必須で、どのターゲットに、どの検討フェーズにおいて、
どのメディアでどんな内容を訴求するか?が重要かつ複雑化しています。
非デジタル世代の接触メディア
デジタルシフトが進み、テレビや新聞の影響力が弱くなっているとはいえ、
ミドル〜シニア層の変化は緩やかで、
彼らにとって身近なメディアは従来のマスメディアです。
株式会社博報堂DYメディアパートナーズの発表によると、
各年代のTVの接触時間は40代男性で1日90分、60代になると220分弱、
女性の場合はさらに長く、40代で150分強、60代では240分強と長時間に渡ります。
他メディア含めた場合にもTVの接触時間が占めるシェアも高く、
最も少ない40代男性でも25%近く、
60代となると男女共に半分程度を占める高比率での接触となります。
WEBでの訴求だけではリーチしきれない非デジタル世代への接点創出では、
デジタル以外の入り口を設けた
メディアミックス戦略を立てる必要性があることがわかります。
パブリシティ動画とは
パブリシティ動画とは、CM形式ではなく、番組枠を企業向けに開放した“パブリシティ枠”向けの動画です。
テレビ番組の1コーナーなどでの紹介となり、広告宣伝ではなく、
「テレビで紹介されている」形を取ることができます。
顕在層へのリーチはもちろん、潜在層への認知を狙っていくのに有効な施策です。
もちろんどのパブリシティ枠でも良いわけではなく、
ターゲットを明確にし、親和性の高い枠を選定しながら活用していく必要があります。
パブリシティ枠のあるTV番組の時間帯や内容から、
その番組を好むであろうターゲットが自社商品の顧客と同一人物となり得るか、
という視点で考えると想像がつきやすいかと思います。
プレスリリースを作成して各局に送ったり、
自社で1からアポを取り、企画書を持ち込み、
プレゼンをしてTVパブリシティを獲得する方法もありますが、
メディア慣れしていない企業からすると、1つ1つのハードルが高いため、
特定のTV局のペイパブを扱う代理店経由で依頼するのが最も取り組みやすい方法です。
ペイパブであれば、枠を事前に、確実におさえることができるため、
先々のプロモーション計画に組み込みやすいというメリットもあります。
非デジタル層とパブリシティ動画の親和性
前述の通り、WEB広告ではリーチしづらい非デジタル世代ですが、
テレビパブリシティでは彼らの日常生活で自然に情報が入ってくる形を取ることができます。
地域局のテレビパブリシティであれば、自社が獲得したい地域の非デジタル層に焦点を当ててリーチすることができます。
eコマースの親和性が低い非デジタル層だからこそ、来店型のビジネスの訴求にマッチします。
認知段階においてはテレビパブリシティの利用、
比較検討・購買フェーズにおいてはチラシ・自社HPなど別媒体との掛け合わせにより、
成果最大化を狙うのが一般的です。
非デジタル世代といえど、WEBとの接点がゼロではなく、
ニーズが顕在化しているタイミングではWEBでの情報収集も行うことが想定されるため、
WEBも併用した検討が進む中で自社から水漏れしないよう、
刈り取り施策も同時に行う必要があります。
パブリシティ動画で訴求可能な商品・サービス
to Cの商品サービスはもちろん、
場合によってはto B狙いの商品サービスの訴求も可能です。
まずto Cの商品サービスですが、
生活者の日常に関係のある商品であれば商品サービスに制限はありません。
リーチしたいターゲットと、商品サービスのマッチングポイントが明確になっていれば訴求可能です。
TVパブリシティでプロモーションが行われている商品サービスの一例です。
・葬儀屋
・住宅メーカー(モデルハウス)
・不動産
・健康食品
・小売
・自治体
・独立行政法人
上記以外にも、地方局であれば地域のスポーツジムや飲食店など地域に根差したビジネス業態も親和性が高いです。
to Bに関しては、
特に地方局では地場の企業経営者・自治体関係者が
情報収集として地域の情報番組などを視聴しているケースもあり、
接点を持つきっかけとなる事も少なくありません。
to C、to Bいずれの場合も、ペイパブであれば、
動画作成の際にターゲットとのマッチングポイントを鑑みて動画構成を提案してもらえるため、
マーケティングやコンテンツ作成に精通していなくても挑戦が可能です。
まとめ
デジタルシフトが加速する現代ですが、WEBだけのリーチでは獲得できない非デジタル層が一定数存在しています。
・非デジタル層が日常使用するオフラインのメディアと、オンラインでの刈り取りができるよう、デジタルミックスしていく
・広告枠だけでなくパブリシティという形も認知段階では有効
・ターゲットと自社商品サービスのマッチングポイントを明確にした上でコンテンツ設計は外部に任せる選択肢もあり
まだまだマスメディア依存の高い非デジタル世代へのリーチ手法として、
パブリシティ動画を一つの選択肢として知っていただければ幸いです。
参考
総務省『通信利用動向調査』 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html
株式会社博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所『メディア定点調査』 https://mekanken.com/mediasurveys/